Japanese
English
原著
Livedoid Vasculitis
Livedoid Vasculitis
足立 厚子
1
,
石田 としこ
1
,
中村 麻紀
1
,
上田 正登
1
,
堀川 達弥
1
,
谷 昌寛
1
Atsuko ADACHI
1
,
Toshiko ISHIDA
1
,
Maki NAKAMURA
1
,
Masato UEDA
1
,
Tatsuya HORIKAWA
1
,
Masahiro TANI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
livedoid vasuculitis
,
抗凝固療法
,
アスピリン療法
Keyword:
livedoid vasuculitis
,
抗凝固療法
,
アスピリン療法
pp.177-183
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900035
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Livedoid vasculitis(Winkelmann)の3例を報告するとともに,本症に対する抗凝固療法について考察した.すなわちアスピリンは少量では血小板のcyclooxy-genaseのみを抑制し強力な血小板凝集促進因子であるトロンボキサンA2産生を抑えることにより抗凝固作用を発揮するが,多量では血管内皮細胞のcyclooxygenaseをも同時に抑制し血小板凝集抑制因子であるプロスタサイクリンの産生を抑えてしまうため逆に凝固促進作用を発揮するという二面性を持つ.そのため従来から300mg/日以下の少量投与が推奨されてきたが,我々は1000mg/日投与の方がより効果的であったという印象をうけた.その根拠としてアスピリンは上記の作用以外に凝固線溶系の様々な経路においてdose dependentに抗凝固作用を有することなどを挙げることができるのではないかと考えている.
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