Japanese
English
症例報告
皮下硬結を示す腋窩副乳の1例
A Case of Accessary Breast Showing Subcutaneous Nodule
陳 科栄
1
,
小松 威彦
1
,
西川 武二
1
Ko-Ron CHEN
1
,
Takehiko KOMATSU
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
腋窩副乳
,
副乳腺
Keyword:
腋窩副乳
,
副乳腺
pp.133-135
発行日 1990年2月1日
Published Date 1990/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900028
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思春期になり腋窩の皮下硬結に気づき,粉瘤の疑診にて全摘された乳頭,乳輪を有さない腋窩副乳の1例を報告した.組織学的には,真皮深層から皮下脂肪織に結合組織の増殖を伴った乳腺組織が巣状に散在し,一部に不規則に拡張した細長い管腔を認め,管腔内にはいわゆる断頭分泌様の所見を伴っていた.乳腺嚢胞内容液中の分子量15,000の蛋白(GCDFP−15)に対する抗体を用い,摘出結節を染色したところ,腺腔上皮細胞および腺腔内容物が強陽性に染色された.従って本症例の腋窩副乳組織はアポクリン化生を伴うものと考えられた.本症例のごとく,乳頭,乳輪を有さない腋窩副乳は鑑別診断が困難なことが多く,日常診療において,腋窩の皮下硬結をみた際には本症の可能性も考慮する必要があると思われた.
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