Japanese
English
症例報告
好酸球性膿疱性毛嚢炎と好酸球浸潤を伴う毛包性ムチン沈着症との異同について
Eosinophilic Pustular Folliculitis versus Follicular Mucinosis with Eosinophilia
足立 厚子
1
,
谷 昌寛
1
,
東川 俊昭
Atsuko ADACHI
1
,
Masahiro TANI
1
,
Toshiaki HIGASHIKAWA
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
好酸球性膿疱性毛嚢炎
,
毛包性ムチン沈着症
,
塩酸ミノサイクリン
Keyword:
好酸球性膿疱性毛嚢炎
,
毛包性ムチン沈着症
,
塩酸ミノサイクリン
pp.265-268
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900837
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毛包にムチン沈着を伴う好酸球性膿疱性毛嚢炎(EPF)の1例と好酸球浸潤を伴う毛包性ムチン沈着症(FM)の1例を報告し,臨床的・病理組織学的特徴ならびに種々の治療に対する反応性などにつき,比較検討を行った.臨床像ではEPFは中心治癒傾向のある紅斑と毛包一致性の無菌性膿疱が特徴である.一方,FMでは膿疱は認めず,また紅斑の中心治癒傾向も認めない.病理組織像ではEPFは好酸球を主体とする著明な細胞浸潤を上部毛包に一致して認め,毛包の破壊および好酸球よりなる膿瘍形成を上部毛包に認めるのが特徴である.FMでは膿瘍の形成を認めることはなく,細胞浸潤も毛包の中部から下部が主体であることから鑑別できる。しかし,EPF,FMともにDDS,インドメサシン,塩酸ミノサイクリンなどの治療法が同様に効果を示すことから,同一の発症機序により生じる一連の疾患である可能性も否定できないと考えた.
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