Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
大腿に生じた粘表皮癌の1例
Primary cutaneous mucoepidermoid carcinoma arising on the thigh
白鳥 実友
1
,
小澤 俊幸
1
,
岡林 綾
2
,
大迫 順子
1
,
鶴田 大輔
1
Miyu SHIRATORI
1
,
Toshiyuki OZAWA
1
,
Aya OKABAYASHI
2
,
Junko SOWA-OSAKO
1
,
Daisuke TSURUTA
1
1大阪市立大学大学院医学研究科,皮膚病態学(主任:鶴田大輔教授)
2和泉市立総合医療センター,皮膚科
キーワード:
粘表皮癌
,
皮膚原発
,
大腿
,
mucoepidermoid carcinoma
Keyword:
粘表皮癌
,
皮膚原発
,
大腿
,
mucoepidermoid carcinoma
pp.539-542
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003206
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80歳,女性。約3年前より左大腿に皮膚腫瘍が出現し,徐々に増大した。初診時,左大腿に約2cmの暗赤色結節を認めた。病理組織学的所見では真皮内に好酸性の胞体と円形核をもつ細胞が結節状に増殖し,胞体に粘液を有する細胞も少数みられたため,粘表皮癌と診断した。唾液腺と子宮頸部,そのほかに原発巣を疑う所見はなく,皮膚原発粘表皮癌と考えた。10mmマージンで切除し,術後10カ月現在,再発はない。体幹・四肢の粘表皮癌は報告例が少なく,大腿に粘表皮癌が生じた報告はこれまでにみられない。ダーモスコピー像でみられたmilia-like cystsに類似するwhite clodsは病理組織での好酸性壊死組織と対応しており,粘表皮癌の予後因子と関連している可能性があると考えられた。
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