Japanese
English
原著
糖尿病の経過中にエクリン汗管の澄明細胞化をみた1例
A case with clear cell change of eccrine sweat ducts during the follow-up of diabetes
柳原 誠
1
,
梅原 康次
1
,
花川 博義
1
,
牧野 輝彦
2
,
清水 忠道
2
Makoto YANAGIHARA
1
,
Koji UMEHARA
1
,
Hiroyoshi HANAKAWA
1
,
Teruhiko MAKINO
2
,
Tadamichi SHIMIZU
2
1真生会富山病院皮膚科
2富山大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, Shinseikai Toyama Hospital Imizu, Japan
2Department of Dermatology, School of Medicine, University of Toyama, Toyama, Japan
キーワード:
エクリン汗管
,
アポクリン汗管
,
汗管上皮
,
澄明化細胞
,
糖尿病
Keyword:
エクリン汗管
,
アポクリン汗管
,
汗管上皮
,
澄明化細胞
,
糖尿病
pp.637-644
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207372
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要約 背景:これまでに糖尿病におけるエクリン汗管上皮細胞の病理組織学的変化を発病初期より澄明化に至るまで経時的に観察した報告はない.目的:糖尿病を罹患した患者のエクリン汗管上皮細胞の澄明化の経時的病態を明確にする.方法:糖尿病と診断された一患者の35歳時,36歳時および43歳時,および48歳時に採取された皮膚生検標本を用いて病理組織学的に検討した.結果:35歳時および36歳時に患者の生検標本ではエクリン汗管上皮に澄明細胞化を認めなかったが,43歳時の皮膚生検標本ではエクリン汗管上皮細胞に軽度の澄明細胞化を確認した.48歳時では汗管にグリコーゲンの高度の蓄積による明瞭な澄明細胞化を認めた.考按:糖尿病発病13年後に汗管にグリコーゲンの蓄積による澄明細胞化を認めた.汗管は高血糖時にグリコーゲンを細胞内に蓄積し,血糖値の低下時に放出するという血糖の調節に関与している可能性を考えた.
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