Japanese
English
症例報告
若年発症で水平方向に緩徐に進展したと考えた萎縮性隆起性皮膚線維肉腫の1例
A case of juvenile-onset atrophic dermatofibrosarcoma protuberans with horizontal and slow extension
竹石 玲奈
1
,
福屋 泰子
1
,
石黒 直子
1
Rena TAKEISHI
1
,
Yasuko FUKUYA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
隆起性皮膚線維肉腫
,
小児
,
萎縮型
,
dermatofibrosarcoma protuberans
Keyword:
隆起性皮膚線維肉腫
,
小児
,
萎縮型
,
dermatofibrosarcoma protuberans
pp.587-592
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207359
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要約 61歳,男性.幼少期より臍下方に褐色斑を認めていた.初診の5か月前に右下腹部に皮下硬結が出現し増大したため前医を受診し,切除標本から隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans:DFSP)と診断され,拡大切除目的にて当科に紹介された.初診時右下腹部に手術瘢痕があり,臍下部から手術瘢痕に一部接する形で硬結を触れる不整形の褐色斑がみられた.褐色斑を含めて全摘した.褐色斑の病理組織像では真皮全体に萎縮がみられ,真皮中層から脂肪織にかけて小型で核異型に乏しい紡錘形の細胞が水平方向に浸潤していた.臨床および病理組織所見から萎縮性DFSPと診断した.萎縮性DFSPは稀な病型で,臨床的に無症候性の萎縮性斑状局面として発症し,病理組織像では外観を反映して真皮の萎縮を伴う点が特徴的である.DFSPの亜型として,隆起がない臨床・病理組織像を呈するものがあり注意を要する.
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