Japanese
English
症例報告
発症早期に硬化性萎縮性苔癬の所見を伴った右耳介後部モルフェアの1例
A case of morphea on the posterior surface of the right auricle manifesting the findings of lichen sclerosus et atrophicus from early stage
越智 安奈
1
,
光井 康博
1
,
小川 浩平
2
,
安藤 淳史
3
,
濱川 健太郎
1
,
栗本 徹
1
,
野見 恭子
1
Anna OCHI
1
,
Yasuhiro MITSUI
1
,
Kohei OGAWA
2
,
Atsushi ANDO
3
,
Kentaro HAMAKAWA
1
,
Toru KURIMOTO
1
,
Kyoko NOMI
1
1奈良県総合医療センター皮膚科
2奈良県立医科大学皮膚科学教室
3奈良県総合医療センター形成外科
1Division of Dermatology, Nara Prefecture General Medical Center, Nara, Japan
2Department of Dermatology, Nara Medical University School of Medicine, Kashihara, Japan
3Division of Plastic Surgery, Nara Prefecture General Medical Center, Nara, Japan
キーワード:
モルフェア
,
硬化性萎縮性苔癬
,
陰部外
Keyword:
モルフェア
,
硬化性萎縮性苔癬
,
陰部外
pp.569-573
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207356
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要約 20歳,女性.半年前より右耳介後部に約4×2 cmの淡黄色硬化性局面が出現した.部分生検では角栓や液状変性に加え,真皮全層に膠原線維の均質化,炎症細胞浸潤を認めた.汗腺周囲にも線維化があったが,表皮から真皮上層の変化が優位であり,この時点では硬化性萎縮性苔癬と診断した.ステロイド,タクロリムスを外用するも硬化が進行し,初診の約1年5か月後に全切除に至った.全摘標本では表皮や基底層の変化に乏しく,炎症細胞浸潤や膠原線維の増生が皮下組織に及び,モルフェアの所見であった.最終診断は,発症早期に硬化性萎縮性苔癬様の変化を伴ったモルフェアと考えた.自験例は,同一病変における病理像の経時的変化を捉えた点で貴重であり,炎症性変化が真皮上層から,時間経過とともに真皮全層,皮下組織へと及んだと考えた.このような症例では,組織採取時期により診断が変わる可能性があり,それを念頭に置いて経過をみていく必要がある.
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