Japanese
English
症例報告
Traumatic neuromaの2例
Two cases of traumatic neuroma
山本 ちひろ
1,2
,
浦上 揚介
1,2
,
山本 剛伸
1,2
,
青山 裕美
2
Chihiro YAMAMOTO
1,2
,
Yosuke URAKAMI
1,2
,
Takenobu YAMAMOTO
1,2
,
Yumi AOYAMA
2
1川崎医科大学総合医療センター皮膚科
2川崎医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School General Medical Center, Okayama, Japan
2Department of Dermatology, Kawasaki Medical School, Okayama, Japan
キーワード:
traumatic neuroma
,
瘢痕組織
,
手術
,
脂肪腫
,
皮下腫瘤
Keyword:
traumatic neuroma
,
瘢痕組織
,
手術
,
脂肪腫
,
皮下腫瘤
pp.321-327
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207246
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要約 症例1:38歳,男性.5年前より右下顎部に5 mm大の皮下硬結があり,徐々に拡大傾向だったため,当科を受診した.症例2:48歳,女性.5年前に右肩の脂肪腫摘出歴があり,手術痕外側に1 cm大の皮下結節が出現し,当科を受診した.両症例とも全摘したところ,病理組織学的に真皮内に線維性変化と神経線維束の増生,ムチンの沈着があり,traumatic neuromaと診断した.Traumatic neuromaは外傷や手術による組織の障害を受けた神経線維の反応性増殖であり,好発部位は四肢や頭頸部である.1982〜2021年の間に本邦で報告された皮膚腫瘍切除後に生じたtraumatic neuromaの13例と自験例の2例を含めた15例を解析した結果,術後から発症までの期間は1〜216か月(中央値:30か月)とさまざまで,62%が植皮部に発症しており,広範囲に及ぶ皮膚欠損部の特に中枢側に多い特徴が認められた.過去に手術した部分の近傍に皮下腫瘤が出現した場合は腫瘤の再燃や瘢痕組織,ケロイドのほか,traumatic neuromaも鑑別に挙げ,積極的切除を検討する必要がある.
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