Japanese
English
症例報告
植皮部に生じたtraumatic neuromaの1例
A case of traumatic neuroma on the grafted site
株本 武範
1
,
田中 英一郎
1
,
丸山 涼子
1
,
伊藤 雅章
1
Takenori KABUMOTO
1
,
Eiichiro TANAKA
1
,
Ryoko MARUYAMA
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Niigata University School of Medicine,Niigata,Japan
キーワード:
traumatic neuroma
,
植皮部
,
神経断端
Keyword:
traumatic neuroma
,
植皮部
,
神経断端
pp.497-499
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102649
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 60歳,男性.1991年(42歳時)左上腕の悪性線維性組織球腫(MFH)に対し筋膜を含めての拡大切除と分層植皮術を施行された.その後10年間再発,転移なく2001年で経過観察は終了した.さらに8年後,植皮部皮下に結節を触知し,受診した.MFHの局所再発を疑い切除したところ,病理組織学的に,線維性基質と末梢神経線維束の増生を認め,traumatic neuromaと診断した.Traumatic neuromaは反応性の末梢神経の増殖だが,手術などの外傷部位に発生するため,自験例のように臨床的に切除した腫瘍の局所再発と鑑別し難い.皮膚科領域においてもtraumatic neuromaをつくらないために,神経切断を要する手術の際は,皮切よりも可能な限り中枢側で神経を切断するなどの注意を払う必要がある.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.