Japanese
English
症例報告
Bartonella henselae抗体陽性から診断に至ったネコひっかき病の1例
A case of cat scratch disease diagnosed by anti-Bartonella henselae antibody seropositivity
島田 京香
1
,
岩渕 千雅子
1
,
日野 治子
1
,
大石 陽子
2
Kyoka SHIMADA
1
,
Chikako IWABUCHI
1
,
Haruko HINO
1
,
Yoko OISHI
2
1公益財団法人日産厚生会玉川病院皮膚科
2公益財団法人日産厚生会玉川病院外科
1Division of Dermatology, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Surgery, Nissan Tamagawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
ネコひっかき病
,
Bartonella henselae
,
リンパ節生検
Keyword:
ネコひっかき病
,
Bartonella henselae
,
リンパ節生検
pp.917-920
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207125
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要約 21歳,女性.初診2週間前に右腋窩の腫瘤に気づき来院.同部位に鶏卵大で,下床とは可動性のない弾性硬の皮下腫瘤を触知した.造影CT検査で右腋窩リンパ節が腫大し,結核性皮下膿瘍・悪性腫瘍のリンパ節転移などを疑い,リンパ節生検を施行した.病理組織所見では広範囲な膿瘍と類上皮細胞性肉芽腫がみられた.改めて問診で動物との接触歴を問うと,初診3か月前に地域ネコとの接触歴があることが判明した.血清学的検査でBartonella henselae IgGが256倍と上昇しており,ネコひっかき病の確定診断に至った.発熱などの全身症状を伴っていなかったため経過観察とした.ネコひっかき病は多彩な臨床像を呈し,確定診断には血清抗体測定が必要だが保険未収載で一般的ではなく,海外受注で時間を要するため,しばしば確定診断に苦慮することがある.自覚症状のない腋窩の腫瘤を主訴とする症例ではネコとの接触歴についての問診も重要である.
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