Japanese
English
症例報告
Verruciform xanthomaが併発していた後天性リンパ管拡張症の手術例
A case of aquired lymphangioectasia accompanied with verruciform xanthoma successfully treated with surgical excision
安里 豊
1
,
里見 久恵
1
,
宮里 肇
1
,
野中 薫雄
2
Yutaka ASATO
1
,
Hisae SATOMI
1
,
Hajime MIYASATO
1
,
Shigeo NONAKA
2
1沖縄県立那覇病院皮膚科
2琉球大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Naha Prefectural Hospital
2Depertment of Dermatology,Faculty of Medicine,University of the Ryukyus
キーワード:
疣贅型黄色腫
,
後天性リンパ管拡張症
Keyword:
疣贅型黄色腫
,
後天性リンパ管拡張症
pp.472-475
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100709
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76歳,女性,25年前に子宮癌のため子宮全摘術および放射線療法を受けた.15年前頃より大陰唇にそう痒を自覚し,次第に滲出液を認め,徐々に隆起して腫瘤状となった.1999年,他院外科にて後天性リンパ管拡張症と診断され両側大腿部のリンパ管-血管吻合術を受けたが改善せず,2001年,当院皮膚科を受診する.ADL(activity of daily life)を考慮し,病変部を切除して単純縫縮した.術後7か月を経た現在でも再発は認められない.後天性リンパ管拡張症はリンパ管の通過障害が生じ末梢のリンパ管が拡張した病態と考えられているが,いまだ治療法は確立されていない.経過観察のみで対処する場合も少なくなく,今回のように病変部の切除術が奏効したことを考えると,今後も治療の選択肢の一つとして考慮すべきである.また,病変部にverruciform xanthoma (VX)の併発を認め,VXの病因が外的刺激から誘因となる説を裏付ける疾患ではないかと考えた.
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