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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
5.皮膚科医のための臨床トピックス
梅毒治癒判定後の早期神経梅毒
Early neurosyphilis discovered after being determined to be cured of syphilis
山口 麻里
1
Mari YAMAGUCHI
1
1岡山赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Okayama Hospital, Okayama, Japan
キーワード:
梅毒
,
早期神経梅毒
,
RPR
,
梅毒トレポネーマ抗体
Keyword:
梅毒
,
早期神経梅毒
,
RPR
,
梅毒トレポネーマ抗体
pp.173-175
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206999
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summary
梅毒は近年大流行し,いまだ明らかなピークアウトを迎えていない.日本性感染症学会梅毒診療ガイドにはその診断と治療に関する指針が示され,RPRが自動化法で治療前値の2分の1を下回ることが治癒判定基準になっている.しかしその基準に従い治癒と判定した以降に,早期神経梅毒の存在が明らかとなった症例を複数例経験した.神経梅毒は1期2期を含むどのステージの梅毒にもみられるため,梅毒診療時には常に念頭に置く必要がある.特に,何らかの神経症状(認知機能低下,運動感覚障害,眼・耳症状,脳神経麻痺,髄膜炎や脳梗塞症状などの所見)があればもちろんだが,無症候でもHIV感染合併時や治療難渋(RPRが低下せず治療成功に至らない)例,血清梅毒トレポネーマ抗体が高値の場合や感染から長期間経過している患者に対しては,その可能性を疑う必要がある.梅毒を治療・治癒したつもりでも実は神経梅毒が残存する事態を避けなければならない.
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