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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
5.皮膚科医のための臨床トピックス
児童虐待に気づくには,まず皮膚科から—皮膚病変に着目しよう
Physical child abuse:Characteristics of skin lesion
大森 多恵
1
Tae OMORI
1
1東京都立墨東病院小児科
1Division of Pediatrics, Tokyo Metropolitan Bokutoh Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
児童虐待
,
身体的虐待
,
虐待による皮膚損傷
,
挫傷
,
熱傷
Keyword:
児童虐待
,
身体的虐待
,
虐待による皮膚損傷
,
挫傷
,
熱傷
pp.177-179
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207001
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summary
皮膚損傷は身体的虐待の中で最も多くみられる所見であるが,軽微なものも多く偶発的な損傷との鑑別が難しい場合も多い.虐待が疑われる損傷の診断をするためには,その臨床的特徴を知ることが必要であり以下の項目が参考になる.病歴(受傷時の説明ができるか,受傷機転があいまいでないか,重症度と見合う受傷機転であるか,受診の遅れはないかなど),年齢(打撲傷においては6か月未満),受傷部位(打撲傷においては骨の突出部位以外で胴体,耳,首,小帯,顎の下面,頰,まぶた,結膜下,熱傷では背中や臀部など),受傷パターン(損傷を与えた物や受傷機転が推定できる,熱傷深度が一定など),ネグレクトの有無,他部位の損傷(打撲傷,骨折など)や過去の損傷など.これらの危険因子を意識して診療にあたることが重要である.
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