Japanese
English
症例報告
成人に発症したマイコプラズマ感染による急性汎発性発疹性膿疱症様,多形滲出性紅斑様皮疹を呈した1例
A case of acute generalized exanthematous pustulosis and erythema multiforme like eruption due to adult-onset mycoplasma infection
佐藤 遥太
1
,
瀬川 雄一朗
1
Yota SATO
1
,
Yuichiro SEGAWA
1
1石巻赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital, Ishinomaki, Japan
キーワード:
マイコプラズマ
,
多形滲出性紅斑
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
mycoplasma-induced rash and mucositis
,
MIRM
,
成人
Keyword:
マイコプラズマ
,
多形滲出性紅斑
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
mycoplasma-induced rash and mucositis
,
MIRM
,
成人
pp.869-873
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206804
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要約 89歳,女性.1週間前から全身にそう痒性紅斑が出現した.前医で多形滲出性紅斑型薬疹が疑われ直前に開始されたアンブロキソールを中止したものの悪化した.嚥下時疼痛のため摂食困難となり紹介された.初診時全身に標的状病変を伴う紅斑を認め間擦部で融合していた.下肢に多発する膿疱,口唇にびらんを認めた.発熱咳嗽なし.好酸球27.2%,抗マイコプラズマ抗体(PA)320倍.組織は角層下海綿状膿疱,液状変性を認めた.直近に開始されたアセトアミノフェンも中止しプレドニゾロン内服を開始した.軽快したが一度再燃した.DLSTは中止した2剤とも陰性で薬疹は否定した.最終的にマイコプラズマ感染による急性汎発性発疹性膿疱症様,多形滲出性紅斑様皮疹と診断した.マイコプラズマ感染は軽度の皮疹と顕著な粘膜疹を呈することが多くmycoplasma-induced rash and mucositis(MIRM)と呼ばれるが,自験例はMIRMの定義を満たさなかった.成人例では肺炎症状なく膿疱を伴う多彩な皮疹を呈しやすい可能性がある.
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