Japanese
English
症例報告
ヒトパルボウイルスB19感染症皮疹の病理組織学的検討
Histopathological study on eruptions of human parvovirus B19 infection
後藤 祐介
1
,
水谷 陽子
1
,
松山 かなこ
1
,
周 円
1
,
宮崎 龍彦
2
,
清島 真理子
1
Yusuke GOTO
1
,
Yoko MIZUTANI
1
,
Kanako MATSUYAMA
1
,
En SHU
1
,
Tatsuhiko MIYAZAKI
2
,
Mariko SEISHIMA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学
2岐阜大学医学部附属病院病理診断科
1Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
2Department of Pathology, Gifu University Hospital, Gifu, Japan
キーワード:
ヒトパルボウイルスB19
,
組織学的検討
,
紫斑
Keyword:
ヒトパルボウイルスB19
,
組織学的検討
,
紫斑
pp.825-831
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206792
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要約 ヒトパルボウイルスB19-IgM抗体価が有意に上昇し伝染性紅斑と診断した3症例に対し皮膚生検を実施した.皮疹のHE染色および免疫染色を行い,浸潤細胞,特に表皮に浸潤するリンパ球のサブセットに対して病理組織学的検討を行った.症例1:51歳,女性で発熱と両下腿の紅斑,紫斑がみられた.症例2:9歳,女児で両下腿,両足背,両手関節部に点状紫斑,体幹に小紅斑がみられた.症例3:40歳,女性で発熱を伴い顔面,体幹,四肢に紅斑が出現した.病理検査HE染色および免疫染色で3症例とも真皮浅層の小血管周囲を中心にCD4陽性リンパ球主体の細胞浸潤がみられ,症例1のみ赤血球の血管外漏出がみられた.しかし血管炎の所見はなかった.したがって3例とも皮疹はウイルスによる直接の組織傷害より感染に伴う免疫反応による可能性を考えた.
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