Japanese
English
症例報告
直接作用型抗ウイルス薬でウイルス陰性化が得られるとともにC型肝炎ウイルス関連クリオグロブリン血症性血管炎も軽快した1例
A case of hepatitis C virus-associated cryoglobulinemic vasculitis resolved associated with sustained virological response achieved by direct acting antivirals
小松 成綱
1
,
梅影 香央里
2
,
野崎 尋意
1
,
長谷部 拓夢
3
,
橋本 喜夫
1
Shigetsuna KOMATSU
1
,
Kaori UMEKAGE
2
,
Hiroyoshi NOZAKI
1
,
Takumu HASEBE
3
,
Yoshio HASHIMOTO
1
1旭川厚生病院皮膚科
2旭川医科大学医学部皮膚科学講座
3旭川医科大学病院消化器内科
1Division of Dermatology, Asahikawa-Kosei General Hospital, Asahikawa, Japan
2Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
3Division of Gastroenterology, Department of Medicine, Asahikawa Medical University Hospital, Asahikawa, Japan
キーワード:
リウマトイド因子
,
リツキシマブ
,
レジパスビル
,
ソホスブビル
Keyword:
リウマトイド因子
,
リツキシマブ
,
レジパスビル
,
ソホスブビル
pp.497-502
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206718
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要約 71歳,女性.1年ほど前からRaynaud症状を自覚していた.10日前から手指足趾の色調変化と疼痛が出現し,近医を受診し当科へ紹介された.複数の手指足趾に紫紅色斑がみられ,両下腿に網状皮斑を伴っていた.網状皮斑部の生検で皮下小動脈の壊死性血管炎を認め,血液検査でクリオグロブリンを検出した.C型肝炎ウイルスキャリアであることが判明し,直接作用型抗ウイルス薬であるレジパスビル・ソホスブビル配合剤の投与を行い,ウイルスの陰性化を得た.その後クリオグロブリンも陰転化し,さらに2年間経過観察したが,クリオグロブリンは再検出されず,血管炎も再燃しなかった.C型肝炎ウイルスの関連が疑われるクリオグロブリン血症性血管炎では,積極的な抗ウイルス療法の導入が血管炎の改善に寄与すると考える.
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