Japanese
English
症例報告
Moulin型線状皮膚萎縮症の1例
A case of linear atrophoderma of Moulin
大竹 里奈
1
,
加藤 恒平
1
,
三浦 圭子
2
,
並木 剛
1
,
横関 博雄
1
Rina OHTAKE
1
,
Kohei KATO
1
,
Keiko MIURA
2
,
Takeshi NAMIKI
1
,
Hiroo YOKOZEKI
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院皮膚科
2東京医科歯科大学医学部附属病院病理診断科
1Department of Dermatology, Tokyo Medical and Dental University, Medical Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Tokyo Medical and Dental University, Medical Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
Moulin型線状皮膚萎縮症
,
Blaschko線
,
皮膚萎縮症
,
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症
Keyword:
Moulin型線状皮膚萎縮症
,
Blaschko線
,
皮膚萎縮症
,
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症
pp.432-437
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206704
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要約 37歳,女性.約5年前に左下腿に褐色斑が出現.徐々に左上肢や左腹部などの左半身に増数し,当科へ紹介された.左半身のBlaschko線に一致して中央が陥凹する大豆大からくるみ大までの楕円形の褐色斑が多発していた.病理組織では陥凹部での真皮の菲薄化を認めた.血液検査では各種自己抗体は陰性であった.Moulin型線状皮膚萎縮症,Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症,モルフェアが鑑別となったが,臨床像で硬化を認めなかったことと片側性でBlaschko線に沿っていたことから総合的にMoulin型線状皮膚萎縮症と診断した.Moulin型線状皮膚萎縮症の報告は本邦では少なく,病理像で病変部と健常部との境界において急峻な陥凹所見を確認した報告はない.陥凹部辺縁から紡錘形に生検し長軸で病変部と健常部の弾性線維の性状や膠原線維間の変化を確認することはモルフェアとの鑑別に役立つと考えた.
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