Derm.2022
病棟医長になり思うこと—皮膚外科手技の習得について
北川 敬之
1
1三重大学大学院医学系研究科皮膚科学
pp.188
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206689
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2022年1月から病棟医長に就任した.今までの人生において,マネージメント業務をしたことがなく日々の仕事に四苦八苦している.以前からいずれ病棟医長になることを予期しており,病棟医長になるに当たりぼんやりと目標を描いていた.私は皮膚科10年目にして形成外科へ研修に行き,6年間他大学の形成外科で,その後1年半を関連病院で形成外科医として働いていた.そのような経験から皮膚科に戻った後は,主に皮膚外科を担当させていただいており,手術について医局の先生方から意見を求められることが多くある.時間をかけて形成外科研修をした割にはまだまだ未熟ではあるが,多少伝授すべき技術はある.そこで病棟医長になるにあたり,自分なりに皮膚外科学を系統的にまとめ,段階的に技術を習得するカリキュラムを構築したいと考えている.外科,泌尿器科,産婦人科などからは手技習得のためのトレーニング法についての論文が多数あり,それらを参考に皮膚外科用に変換し運用しようと思っている.また先日,日本皮膚科学会西部支部大会で手術映像システムの活用についての発表を拝聴し,トレーニングに活用できるのではないかと思っている.「One cannot learn anything so well as by experiencing it oneself—Albert Einstine」という言葉があるように,手技習得は最終的に自分で体験する,自分で行うことが重要だと思う.さまざまなツール,方法を用いて自分で行うに至るまでのレールを敷く手助けをしたいと思っている.「やってみせ 言って聞かせてさせてみて 誉めてやらねば ひとは動かじ—山本五十六」の精神で.
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