Derm.2022
(二)十年一昔
島内 隆寿
1
1浜松医科大学医学部皮膚科学講座
pp.166
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206679
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- 文献概要
皮膚科医として20年以上が経過して,皮膚科学の日進月歩の発展を実感できる年齢になったと感じております.私が研修医の頃,ナローバンドUVBが登場する中,乾癬に対するゲッカーマン療法をまだ実施していた時代でした.バイオ全盛となった今,若手の先生にとって太陽灯を用いたゲッカーマン療法の治療風景は,もはや歴史的な代物でしょう.メラノーマに対するDAC-Tam feron療法や血管肉腫に対するIL-2の局所注射も,今ではほとんど実施されることはなく,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的治療薬が主役となっております.私の専門としている皮膚リンパ腫においても,新規治療薬や現在治験中の薬剤が今後,臨床の現場に登場すると期待しております.特に治験の段階で携わらせていただいた薬剤が実臨床で使用できるようになったときの喜びは,医師としての達成感を感じます.乾癬,アトピー性皮膚炎,皮膚悪性腫瘍の分野において,この20年で治療法が激変しており,今昔の感に堪えない思いです.さらに20年後,皮膚科学がどのような発展を遂げているか,期待を胸に,その未来を切り開く若手医師の育成,サポートに貢献しなければ…と感じる日々でございます.
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