Japanese
English
症例報告
急速に増大したが外科的に切除しえた外眼角部Merkel細胞癌の1例
A case of rapidly growing Merkel cell carcinoma of the external canthus successfully treated by surgical removal
古明地 久子
1
,
佐藤 洋平
1
,
成田 陽子
1
,
青木 孝司
1
,
尾崎 峰
2
,
大山 学
1
Hisako KOMEICHI
1
,
Yohei SATO
1
,
Yoko NARITA
1
,
Koji AOKI
1
,
Mine OZAKI
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部形成外科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
急速増大
Keyword:
Merkel細胞癌
,
急速増大
pp.147-152
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206580
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要約 78歳,女性.2か月前から増大する眼囲の結節を前医生検にてMerkel細胞癌と診断され紹介受診した.初診時,右外眼角部に径4cm大の紅色腫瘤があり,PET-CT検査で右耳下腺,上深頸部リンパ節転移を認めた.その後も増大したため早急に外科的治療を計画し初診12日後に腫瘍辺縁よりマージン2cmをとり拡大切除,遊離皮弁を用いた再建術,右耳下腺全摘,転移リンパ節切除を施行した.術後13か月間再発を認めない.最近10年間の本邦Merkel細胞癌報告例における腫瘍径の変化率と増大期間の相関を検討したところ自験例では腫瘍の増大が急速であった.また,同様の顔面発症例と比較して自験例では積極的な加療が局所制御を可能にし,現時点では良好な経過につながった可能性がある.本疾患は,短期間で腫瘍径が倍以上に増大する症例もあるため,それを念頭に置きつつ積極的な治療計画を立てることが予後の改善に重要であると考えた.
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