Japanese
English
臨床経験
遠隔転移により死亡した類上皮肉腫の2例
Two Cases of Epithelioid Sarcoma Died from Distant Metastases
柿崎 寛
1
,
松本 健一
1
Hiroshi Kakizaki
1
,
Kenichi Matsumoto
1
1弘前大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
類上皮肉腫
,
epithelioid sarcoma
Keyword:
軟部肉腫
,
soft tissue sarcoma
,
類上皮肉腫
,
epithelioid sarcoma
pp.1207-1210
発行日 1989年10月25日
Published Date 1989/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908210
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抄録:診断・治療上問題のあった類上皮肉腫の2症例の報告.症例1:36歳男性.右前腕難治性潰瘍があり骨髄炎と誤診されてその治療を頻回に受けていた.類上皮肉腫との診断のもとに前腕切断術を行ったが,頭皮・肺・胸椎などに遠隔転移を生じ,当科での手術後4年2カ月で死亡した.症例2:54歳男性.左下腿および左大腿の腫瘤.はじめ左下腿皮下に小腫瘤を生じ線維腫との診断で3回他医で単純切除術を受けて再発.経過中左大腿に転移しこれも切除術後に再発して当科を受診した,それぞれ広範切除術にて治癒させたが,後に肺,小脳,頬部などに転移し,当科での手術後3年1ヵ月で死亡した.2症例とも病理学的所見は類似する.即ち多角形ないし紡錘形の腫瘍細胞が結節を形成しながら増殖し,結節の中心部は壊死に陥り易い.このために早期より潰瘍化するため他疾患と誤診されることが多い.本腫瘍の診断,治療上の問題点を述べた.
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