Japanese
English
症例報告
ミコフェノール酸モフェチル単剤で寛解維持した再発性難治性尋常性天疱瘡の1例
A case of recurrent refractory pemphigus vulgaris maintained in remission by mycophenolate mofetil monotherapy
青山 和弘
1
,
宮地 秀明
1
,
山本 洋輔
1
,
松江 弘之
1
Kazuhiro AOYAMA
1
,
Hideaki MIYACHI
1
,
Yosuke YAMAMOTO
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院皮膚科学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Chiba University, Chiba, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
ミコフェノール酸モフェチル
,
二重膜濾過血漿交換法
,
ステロイドパルス療法
,
IVIg療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
ミコフェノール酸モフェチル
,
二重膜濾過血漿交換法
,
ステロイドパルス療法
,
IVIg療法
pp.963-969
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206511
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要約 54歳,男性.当科初診2か月前から頭部と前胸部に紅斑,水疱が出現した.尋常性天疱瘡の診断でステロイド内服,免疫グロブリン大量投与(intraveneous immunoglobulin:IVIg)療法を行うも,皮疹が増悪し,当科紹介初診となった.二重膜濾過血漿交換法,ステロイドパルス療法,IVIg療法により症状は改善した.アザチオプリンを導入したが肝機能障害が出現し,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)に変更した.その後紅斑,水疱ともに消退傾向で,内服ステロイドとMMFを漸減した.退院時にMMFは中止したが,その後紅斑が再燃したため,MMFを再導入し,皮疹・抗体価はともに改善した.退院後に内服ステロイドを漸減・中止し,MMF単剤で2年間寛解を維持できた.治療抵抗性の尋常性天疱瘡には,MMFの導入が治療選択肢として有用であると考えるが,投与報告例は少なく今後の症例の蓄積による検討が待たれる.
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