Japanese
English
症例報告
Pachydermodactylyの1例
A case of pachydermodactyly
小笹 美蘭
1
,
八木沼 彩
1
,
梅澤 慶紀
1
,
朝比奈 昭彦
1
Miran OZASA
1
,
Aya YAGINUMA
1
,
Yoshinori UMEZAWA
1
,
Akihiko ASAHINA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo Japan
キーワード:
pachydermodactyly
,
knuckle pad
,
PIP関節
Keyword:
pachydermodactyly
,
knuckle pad
,
PIP関節
pp.497-502
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206406
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要約 29歳,女性.14歳頃に両示指,中指,環指のPIP関節両側面に腫脹と硬化が生じ,徐々に増悪した.疼痛,瘙痒,可動域制限は認めなかった.単純X線所見では骨,関節の異常はなく,MRIでT1,T2低信号の軟部組織の腫脹が認められた.病理組織は,過角化を伴った表皮肥厚と,真皮の膠原線維の膨化と配列の乱れ,弾性線維の減少,ムチンの沈着を認めた.これらの臨床像,組織所見からpachydermodactylyと診断した.本症は認知度が低いために,報告数が少ないと思われる.本症の外観は変形性関節症様であるが,骨変形を認めないため皮膚科を受診する可能性があり,疾患に対する周知が望まれる.若年者にPIP関節の側面の肥厚を認める場合は本症を念頭に置き,手指への機械的刺激の有無を含めた生活歴の問診を行うことが重要である.
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