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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
5.皮膚科医のための臨床トピックス
メポリズマブの再発性難治性好酸球性多発血管炎性肉芽腫症への効果
Effect of mepolizumab on relapsing or refractory eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
川上 民裕
1
Tamihiro KAWAKAMI
1
1東北医科薬科大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Tohoku Medical and Pharmaceutical University, Sendai, Japan
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
IL-5
,
MIRRA試験
,
好酸球
,
add-on試験
Keyword:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
IL-5
,
MIRRA試験
,
好酸球
,
add-on試験
pp.165-168
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206369
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メポリズマブは,IL-5に対するヒト化モノクローナル抗体である.好酸球表面に発現するIL-5受容体へのIL-5結合を阻止する.小児気管支喘息に続いて2018年,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)への適応疾患拡大が承認された.その基盤となった臨床研究が,無作為化,二重盲検,プラセボ対照,並行群間,多施設共同の国際ランダム化比較試験のMIRRA試験である.メポリズマブ群(300mg/4週)とプラセボ群を,既存の治療であるプレドニゾロン(PSL)に追加併用(add-on試験・上乗せ試験)し,効果の相違を比較した試験の詳細を解説した.寛解定義1がBVAS=0かつPSL4.0mg/日以下,寛解の定義2がBVAS=0かつPSL7.5mg/日以下,とされ,その両方ともメポリズマブ群が有効であった.この試験から既存治療に抵抗性のEGPAの寛解導入治療において,メポリズマブ追加投与の効果が証明された.最新のガイドラインはこの効果を記載した.
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