Derm.2021
目指すもの
松山 かなこ
1
1岐阜大学医学部皮膚科
pp.90
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206339
- 有料閲覧
- 文献概要
私は入局して早い時期に出産し,当時は育休や時短などの道はなく産後2か月でフル復帰一択の時代でしたので皮膚科医のキャリアは,母親業のキャリアとほぼ一緒.仕事も子育ても何が何だかわからないまま,周りの多くの人々に迷惑をかけ,たくさん助けてもらって生活してきましたがこの春,ついに義務教育修了を迎えました.あっという間に大きくなったなと感慨深いですが,一方で自分を顧みますと,皮膚科の勉強をおろそかにし過ぎてきてしまったなと焦る気持ちです.北島康雄 前教授が実践しておられた,「皮疹をしっかり観察し,正確に把握することで,病理組織像がどうなっているかを思い描く.そしてそこから病態を推察し,診断,治療へつながる」診療を目標に,勉強しなおしていきたいと思います.医師として賃金を得て仕事を行う以上,医師としての責任は果たすべきであり,子供がいることを振りかざして権利ばかりを主張せず,ある程度は厳しい仕事もせねばならないと思ってやってきましたが,自分の中で折り合いをつけることも,医局などの組織の中で公平性を保つことも,各所バランスをとるのは難しいです.コロナ渦で,よりいっそうバランスがとりにくくなっていますが,堅実に,たおやかでへこたれず進みたいです.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.