第2特集 チームで目指すDiagnostic Excellence
診断における連携・協働
患者と目指すDiagnostic Excellence
安本 有佑
1
1板橋中央総合病院 救急総合診療科
pp.97-99
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2025010015
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はじめに
Diagnostic Excellenceには有効性,適時性,安全性,効率性,患者中心性,公平性の6つ の要素が含まれ,最小限の情報から適時に正確な診断が求められる一方で,患者経験を最 大化し,不確実性をマネジメントする必要がある1).ドナベディアンは,医療の質をストラ クチャー指標,プロセス指標,アウトカム指標に分類したが2),これまで広く測定されて きた患者満足度がアウトカム指標である一方で,患者経験はプロセス指標とされる.すな わち,提供される医療のプロセスを評価し,それを改善することで,提供された医療によ るアウトカムとしての満足度も向上することが期待される.WHOは2024年の「世界患者 安全の日」のテーマとして“Improving diagnosis for patient safety”を掲げ,そのなかの4つ の方針の1つを「診断プロセスを改善するために,患者と家族が医療従事者や医療リーダー と積極的に協働できるようにエンパワーする」としている.診断プロセスを診断における 患者経験と考えたときに,それを最大化,エンパワーするために患者と協働するとはどう いうことなのかについて,本稿では解説を行う.
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