特集 看護の現場を問い直す・2
精神科看護が目指すべきもの
計見 一雄
1
1同和会千葉病院
pp.1159-1164
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918812
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精神科医として,精神科看護の現場に何か提言せよと言われる.これはまさに無理難題というべきである.
患者からは‘先生はわかってくれるんだけど,看護婦さんが理解してくれない’という苦情がある一方で,‘あの患者さんは先生の前では落ち着いているけど,私たちに対してはメチャクチャなことを言うんですよ’という声は,勤務室から常に聞かされている.あるいは‘先生と患者さんの間でだけ話が通じていて,私たちはいつもつんぼ桟敷(さじき)じゃありませんか’という抗議も,精神科医になって以来今日まで,常に受けてきた.こういう2つの主張の間で,私がやっている仕事は,主にこの両者の調整とか仲介ということになるが,実際にはこの予盾に対して,医師の権威を利用してごまかし,事がすむようにしてしまっているのが大半である.
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