Japanese
English
症例報告
間質性肺炎を伴った再発性多発軟骨炎の1例
A case of relapsing polychondritis with interstitial pneumonia
青木 孝司
1
,
布袋 祐子
1
Koji AOKI
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
再発性多発軟骨炎
,
間質性肺炎
,
抗Ⅱ型コラーゲン抗体
,
IgG4
Keyword:
再発性多発軟骨炎
,
間質性肺炎
,
抗Ⅱ型コラーゲン抗体
,
IgG4
pp.113-118
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206265
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要約 74歳,男性.初診の約2週間前に右耳介の発赤,腫脹,疼痛が出現し,近医にて抗菌薬の内服加療を受けるも改善に乏しく当科を紹介受診した.経過と臨床から再発性多発軟骨炎を疑い,右耳介から皮膚生検を行った.病理組織学的所見では,軟骨周囲に好中球を主体とする稠密な炎症細胞浸潤がみられた.CTにて気道病変はなかったが,間質性肺炎の所見が得られた.初診2週間後より鼻軟骨炎も出現したため,Damiani基準に基づき再発性多発軟骨炎と診断し,プレドニゾロン内服を開始した.その後ジアフェニルスルホンの内服を併用し,軟骨炎,間質性肺炎ともに軽快した.本症の生命予後は8年生存率が94%であるが,気道・心血管病変は重大な合併症である.過去に間質性肺炎を合併した再発性多発軟骨炎の報告は自験例を含めて6例あり,再発性多発軟骨炎をみた場合,呼吸器症状がなくとも画像検査を行い,気道のみならず肺野病変も確認すべきと考えた.
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