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症例報告
アレサガ®テープのエメダスチンフマル酸塩とポリイソブチレンによるアレルギー性接触皮膚炎の1例
A case of allergic contact dermatitis due to emedastine fumarate and polyisobutylene from Allesaga® tape
花田 美穂
1
,
北村 和子
1
Miho HANADA
1
,
Kazuko KITAMURA
1
1北村皮膚科
1Kitamura Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
エメダスチンフマル酸塩
,
ポリイソブチレン
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
パッチテスト
,
経皮薬物送達システム
Keyword:
エメダスチンフマル酸塩
,
ポリイソブチレン
,
アレルギー性接触皮膚炎
,
パッチテスト
,
経皮薬物送達システム
pp.107-112
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206264
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要約 72歳,男性.アレルギー性鼻炎に経皮吸収型エメダスチンフマル酸塩(エメダスチンパッチ)を処方され,腹部に初めて貼付した翌日に皮疹を生じた.パッチテストで主成分エメダスチンフマル酸塩(EF),添加物ポリイソブチレン(PI)で陽性であり,エメダスチンパッチのEFとPIによるアレルギー性接触皮膚炎と診断した.PI含有テープやEFの内服からの感作を推察したが,内服および外用歴は不明であった.エメダスチンパッチによるアレルギー性接触皮膚炎は発売後初めての報告となるが,長期投与試験での紅斑,瘙痒感の出現率は9.8〜16.9%,初回投与による皮膚炎の出現率は7.7%であった.一般的に貼付剤や点眼液では,主剤濃度が高く設定されアレルギー性接触皮膚炎を惹起しやすいと推察した.現在,transdermal drug delivery system製剤はさまざまな疾患に応用されている.貼付剤に含有される主剤だけでなく,PIなどの粘着剤も含めた全成分パッチテストを施行し,使用できる貼付剤を選択することが重要である.
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