Japanese
English
今月の症例
BCG接種後に皮膚腺病および遠隔リンパ節腫脹を認めた1例
A case of scrofuloderma and distant lymphadenitis as a complication of BCG vaccination
辻 和英
1
,
神崎 寛子
1
,
森下 佳子
2
,
荒田 次郎
1
Kazuhide TSUJI
1
,
Hiroko KANZAKI
1
,
Yoshiko MORISHITA
2
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
2高松赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
2Department of Dermatology, Takamatsu Red Cross Hospital
キーワード:
BCG
,
副反応
,
皮膚腺病
,
リンパ節腫脹
Keyword:
BCG
,
副反応
,
皮膚腺病
,
リンパ節腫脹
pp.887-889
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902672
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1歳,女児.3か月健診の際,左上腕にBCGの接種を受け,その約3か月後から,左腋窩に直径約1cm大の皮下腫瘤が出現した.その後,左腋窩腫瘤中央部より黄色調の浸出液が認められ,一時的に自然軽快したが,BCG接種約8か月後,再び浸出液が出現したので来院.診断目的で腫瘤を摘出した.組織学的所見では,組織はリンパ節が主体で,表皮への瘻孔を認めた.瘻孔周囲およびリンパ節内に乾酪壊死が存在し,類上皮細胞,Langhans型巨細胞,リンパ球の浸潤を伴う肉芽腫像が認められた.摘出後は無治療で経過を観察していた.しかし,BCG接種約10か月後,再び左鎖骨上窩にリンパ節腫大が出現した.イソニアジド(イスコチン®)9mg/日の内服を行い,治療開始3か月後,左鎖骨上窩リンパ節腫大は完全に消失し,イソニアジドの内服を中止した.その後再発は認めていない.
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