血管腫切除後瘢痕部に生じた脂腺癌の1例

Extraocular sebaceous carcinoma arising in a operation scar due to the resection of hemangioma

62歳，女性。約40年前に左頰部の血管腫に対して全切除と植皮術を施行された。約3年前から同部位に紅色の丘疹が出現し，増大してきたため当院を受診した。初診時，左頰に植皮術後の瘢痕があり，瘢痕内に18×15mm大の紅色局面を伴っていた。病理組織学的所見では多様な胞巣形成性増殖を認めており，胞巣は未分化上皮細胞からなり，散在性に脂腺細胞分化，脂腺導管様構造を伴っていた。腫瘍細胞は異型で密集し，核分裂像もあった。また，抗EMA抗体染色が陽性であり脂腺癌と診断した。これまでに，本邦において瘢痕部に生じた眼瞼外脂腺癌の報告はまれである。