Japanese
English
症例報告
動脈塞栓術にて縮小した上口唇の動静脈奇形の1例
A case of arteriovenous malformation of the upper lip treated with artery embolization
鈴木 皓
1
,
中山 未奈子
1
,
宇野 優
1
,
青木 礼奈
1
,
尾上 智彦
1
,
太田 有史
1
,
増田 耕一
2
,
竹永 晋介
2
,
中川 秀己
3
Hikaru SUZUKI
1
,
Minako NAKAYAMA
1
,
Yu UNO
1
,
Ayana AOKI
1
,
Tomohiko ONOE
1
,
Arihito OTA
1
,
Koichi MASUDA
2
,
Shinsuke TAKENAGA
2
,
Hidemi NAKAGAWA
3
1東京慈恵会医科大学葛飾医療センター皮膚科
2東京慈恵会医科大学葛飾医療センター放射線部
3東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
2Department of Radiology, The Jikei University Katsushika Medical Center, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
動静脈奇形
,
上口唇
,
動脈塞栓術
,
血管内治療
Keyword:
動静脈奇形
,
上口唇
,
動脈塞栓術
,
血管内治療
pp.717-721
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205823
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 70歳,女性.初診の2年前より上口唇の皮下腫瘤を自覚し,徐々に増大してきたため当科を受診した.初診時,上口唇に45×20mm大の,表面の一部が紅色調を呈する弾性硬の皮下腫瘤があり,赤唇部の腫脹を伴っていた.触診で同部位に拍動を触れ,3D-CTアンギオグラフィを撮像したところ,同部位に異常血管塊(nidus)を認めた.その後施行した血管造影検査においてもnidusおよび静脈の速やかな描出がみられたため動静脈奇形と診断した.両側の顔面動脈が流入動脈(feeder)と考えられ,血管内治療による動脈塞栓術を2回施行後,拍動は消失し腫瘤は縮小した.塞栓術後14か月現在再増大はない.動静脈奇形の治療としては外科的切除および血管内治療が広く行われているが,特に上口唇のような機能・形態の温存が望まれる部位に対しては,侵襲性の低い治療法として血管内治療を積極的に考慮すべきと考えた.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.