Derm.2019
察知する診療
沖山 奈緒子
1
1筑波大学医学医療系皮膚科
pp.22
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205695
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後進への臨床研修・教育ということについて考える機会も多くなってきた.しかし,臨床を教えるというのはとても難しい.もっと体系的に次世代へ伝えるべきであろうと反省すると同時に,いや,でも,所詮センスだよ,習うより感じろ,と言ってしまいたくもなる.最近,マスクをすることが流行していて,それも人前でも取らないのがごく普通になってきている.老若男女問わずであり,患者さんもそうだし,医師や看護師もである.病院ではもちろん,免疫抑制剤を飲んでいる患者さんもいれば,不特定多数の病人と接する医療従事者側も,感染予防対策としてのマスクが主ではあろう.しかし,マスクをされていると(もしくはしていると),とても診察がやりにくい.見えないし,感じ取れない,熱意すら希薄になる気がする,と思うのは私だけなのだろうか.患者さんの表情から察知できるものもあるし,こちらの表情から察知してもらうものもある.体系的に説明できないような感覚的診療をしている証拠かもしれないとも思い当たりつつ.
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