Japanese
English
症例報告
多発性結節を呈した皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma with multiple nodules
飯島 孝四郎
1
,
佐藤 洋平
1
,
佐野 彰彦
2
,
大山 学
1
Koshiro IIJIMA
1
,
Yohei SATO
1
,
Akihiko SANO
2
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部感染症教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Infectious Diseases, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
皮膚腺病
,
多発
,
ヒト型結核菌
,
クオンティフェロン
Keyword:
皮膚腺病
,
多発
,
ヒト型結核菌
,
クオンティフェロン
pp.349-353
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205684
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要約 77歳,女性.左耳後部から後頸部にかけての皮疹を主訴に当科を初診した.受診時,痂皮を付し中央部より排膿を認める紅色結節が多発していた.結節部の生検標本の病理組織像では,中心部に乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めた.クオンティフェロン(QFT)と病変部組織の抗酸菌培養はともに陰性であったが,病変部由来DNAのPCR法による解析でMycobacterium tuberculosisのDNAを検出した.画像上,頸部リンパ節の腫脹があり,皮膚腺病と診断した.イソニアジド,リファンピシン,エタンブトール,ピラジナミドの4剤併用療法を開始し結節は平坦化した.過去に報告された多発病変をもつ皮膚腺病症例の多くは高齢者であった.自験例では汎血球減少,CD4,CD8陽性T細胞数の減少があったことを合わせて考えると高齢者では相対的免疫低下状態にあり,通常は単発例が多い皮膚腺病が多発病変を呈する可能性を考えた.
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