Japanese
English
症例報告
皮膚腺病と考えた腹壁結核の1例
A Case of Abdominal Scrofuloderma
中川 八重
1
,
照井 正
1
,
田上 八朗
1
Yae NAKAGAWA
1
,
Tadashi TERUI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
皮膚腺病
,
腹壁結核
,
scrofuloderma
,
abdominal tuberculosis
Keyword:
皮膚腺病
,
腹壁結核
,
scrofuloderma
,
abdominal tuberculosis
pp.829-832
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204171
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結核性胸膜炎の既往歴がある67歳男性の左下腹壁に膿瘍が出現した.穿刺液の塗抹および培養でヒト型結核菌を検出し,腹部単純X線写真でも腹壁に多数の石灰化像を認めた.抗結核剤投与を開始後,膿瘍は皮膚に破れ潰瘍を生じたが,抗結核剤投与6カ月後には潰瘍は治癒した.3カ月後,その瘢痕の下部の腹壁に軟らかな腫瘤が生じ,超音波検査で膿瘍の存在が疑われた.現在抗結核剤の内服を継続中で,腫瘤の増大傾向はない.本症例は胸部結核病変がリンパ行性に腹壁に波及し,さらに皮膚に及び皮膚腺病となった稀な症例と考える.
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