Japanese
English
症例報告
仙尾部に生じた滑液包炎の1例
A case of bursitis on the sacral region
作田 梨奈
1
,
竹内 博美
1
,
笹尾 ゆき
1
,
岩原 邦夫
1
Rina SAKUTA
1
,
Hiromi TAKEUCHI
1
,
Yuki SASAO
1
,
Kunio IWAHARA
1
1江東病院皮膚科
1Division of Dermatology, Koto Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
滑液包炎
,
仙骨部
Keyword:
滑液包炎
,
仙骨部
pp.292-296
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205673
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要約 72歳,女性.初診の約3か月前より仙骨部に皮下腫瘤を自覚し来院.仙骨部に約4×4cmでドーム状に隆起する弾性軟,表面常色〜やや淡紅色調の皮下腫瘤がみられた.骨盤腔MRIで,仙骨部背側の皮下にやや扁平化した囊腫がみられ,診断目的に皮膚生検を施行した.病理組織学的に,内壁が1層の滑膜被膜細胞で構築された囊胞性病変で,その周囲に線維芽細胞と豊富な微小血管の増生がみられた.以上より滑液包炎と診断した.仙尾部に生じた滑液包炎は,1983年から現在まで自験例を含め24例と比較的稀である.患者背景として,円背姿勢が7例と最多であり,その他基礎疾患による臀部の筋萎縮や仙骨,尾骨の病的突出,長時間の坐位による仙尾部への慢性的な刺激が誘因と考えられる.本症は特に皮膚科領域からの報告は少ないが,臀部の皮下腫瘤または難治性の褥瘡を見た場合には,鑑別疾患の1つとして考える必要がある.
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