Japanese
English
症例報告
慢性に経過した多発滑液包炎の1例
A case of chronic multiple bursitis
金子 由佳
1
,
中井 章淳
1
,
加藤 則人
1
Yuka KANEKO
1
,
Noriaki NAKAI
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science, Kyoto, Japan
キーワード:
滑液包炎
,
多発
,
膝
,
足関節
Keyword:
滑液包炎
,
多発
,
膝
,
足関節
pp.245-248
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204691
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要約 37歳,男性.当科初診の約20年前から左膝下の皮膚腫瘤を自覚し,約9年前から右膝下と右外果の皮膚腫瘤も自覚していた.初診時,右膝下に3つ,左膝下に2つ,右外果に1つの弾性軟な皮膚腫瘤がみられた.右膝下と右外果の腫瘤の病理組織学的所見では,真皮内に不整な線維性肉芽組織と腔隙の形成がみられた.滑液包炎と診断した.整形外科を紹介したところ,摩擦を避けるよう指導され経過観察となった.自験例では,スポーツ歴や職業歴から,膝や足関節部に慢性的な刺激を受けていた可能性が高く,滑液包炎の発症に関与したと考えられた.滑液包炎は整形外科領域からの報告が多く,皮膚科の成書に本疾患についての記載はない.滑液包炎は合併症として重篤な関節破壊を引き起こすことがあり,皮膚腫瘤の鑑別として皮膚科医も熟知する必要があると考えた.
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