Japanese
English
症例報告
糖尿病に合併した皮膚サルコイドーシスの1例
A case of cutaneous sarcoidosis associated with diabetes mellitus
川合 美里
1
,
清島 真理子
1
,
柳原 誠
1
,
森 俊二
1
,
小瀬木 理
2
Misato KAWAI
1
,
Mariko SEISHIMA
1
,
Makoto YANAGIHARA
1
,
Shunji MORI
1
,
Satoshi KOZEKI
2
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
2岐阜大学医学部第三内科
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
2The 3rd Department of Internal Medicine, Gifu University School of Medicine
キーワード:
皮膚サルコイドーシス
,
糖尿病
,
血清アンギオテンシン変換酵素
Keyword:
皮膚サルコイドーシス
,
糖尿病
,
血清アンギオテンシン変換酵素
pp.795-798
発行日 1994年8月1日
Published Date 1994/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901299
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54歳,女性.顔面の紅斑を主訴とする皮膚サルコイドーシスと糖尿病の合併例を報告した.皮疹は顔面に左右対称性に出現した紅斑を伴う丘疹であった.同部の皮膚病理組織検査で真皮中層と下層に類上皮細胞とリンパ球から成るサルコイド肉芽腫が存在し,真皮上層の毛細血管の肥厚を示す像を呈した.胸部縦隔CTにおいて縦隔リンパ節の腫脹がみられ,またガリウムシンチグラムにおいて同部に集積像が得られた.血清アンギオテンシン変換酵素(血清ACE)活性は,23.9IU/lと,高値を示した.また空腹時血糖403mg/dlで糖尿病II型を合併していたため,糖尿病に合併した皮膚サルコイドーシスと診断した.治療は酪酸ヒドロコルチゾン軟膏外用は皮疹に対して無効であったが,ヒューマリンN18単位/日投与により,血糖値が102mg/dlと低下するに伴い,顔面の皮疹は軽快傾向を示し,また血清ACE活性も正常化した.本邦におけるサルコイドーシスと糖尿病の合併例について若干の文献的考察を加えて報告した.
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