Japanese
English
症例報告
液状変性が明らかであり円板状エリテマトーデスとの鑑別を要した剣創状強皮症の1例
A case of scleroderma en coup de sabre with interface dermatitis
伊藤 祐太
1
,
簗場 広一
1
,
中川 秀己
1
,
伊東 秀記
2
Yuta ITOH
1
,
Koichi YANABA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
,
Hideki ITOH
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2立川皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Tachikawa Dermatology Clinic, Tachikawa, Japan
キーワード:
剣創状強皮症
,
限局性強皮症
,
液状変性
,
ステロイド
Keyword:
剣創状強皮症
,
限局性強皮症
,
液状変性
,
ステロイド
pp.221-224
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205334
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要約 55歳,男性.当院初診3か月前より前額部の線状紅斑が出現し,徐々に下方へ拡大したため前医を受診した.剣創状強皮症を疑い皮膚生検を施行したところ,病理組織学的に液状変性が著明である一方,線維化の所見はみられないことから,剣創状強皮症よりも皮膚エリテマトーデスを疑う所見であった.1か月後に当科を紹介され受診し,再度皮膚生検を施行したところ,液状変性とともに真皮中下層の膠原線維の膨化・増生を認めたため,剣創状強皮症と診断した.プレドニゾロン15mg/日の内服を開始したところ,皮疹は軽度の萎縮・陥凹を残し消退した.剣創状強皮症は治療が遅れた場合には不可逆的な変形を残すことから,早期診断と治療介入が重要であり,早期病変では線維化像よりも液状変性が顕著である場合も存在することを念頭に置く必要があると考えた.
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