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増刊号特集 最近のトピックス2017 Clinical Dermatology 2017
2.皮膚疾患の病態
基底細胞癌とヘッジホッグ伝達経路
The role of hedgehog pathway in basal cell carciroma
大塚 篤司
1
Atsushi OTSUKA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
ヘッジホッグ伝達経路
,
vismodegib
,
イトラコナゾール
Keyword:
基底細胞癌
,
ヘッジホッグ伝達経路
,
vismodegib
,
イトラコナゾール
pp.51-55
発行日 2017年4月10日
Published Date 2017/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205064
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summary
基底細胞癌は最も頻度が高い皮膚悪性腫瘍である.外科的切除のみにて完治する症例が多い一方,基底細胞癌の0.6%が重症型であり,進行期の基底細胞癌に対する治療法は十分ではなかった.近年,基底細胞癌の発症のメカニズムとしてヘッジホッグ伝達経路の活性化が報告された.このヘッジホッグ伝達経路を遮断する薬剤としてvismodegib(ビスモデギブ)が欧米で認可され一定の治療効果を上げている.興味深いことに,イトラコナゾールがヘッジホッグ伝達経路を遮断する効果を有することが報告された.ヒト基底細胞癌のPhase Ⅱの臨床試験にて有効性が報告されており,今後進行期の基底細胞癌に対する治療法になりうる.
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