Japanese
English
症例報告
線状IgA水疱性皮膚症の1例
A case of linear IgA bullous dermatosis
石田 修一
1
,
日野 頼真
1
,
千葉 由幸
1
,
堀内 義仁
1
,
福田 俊平
2
,
橋本 隆
2
Shuichi ISHIDA
1
,
Yorinao HINO
1
,
Yoshiyuki CHIBA
1
,
Yoshihito HORIUCHI
1
,
Shunpei FUKUDA
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1国立病院機構災害医療センター皮膚科
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,National Hospital Organization Disaster Medical Center,Tachikawa,Japan
2Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
テトラサイクリン
,
ミノサイクリン
,
ニコチン酸アミド
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
テトラサイクリン
,
ミノサイクリン
,
ニコチン酸アミド
pp.941-945
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103091
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要約 83歳,女性.初診の1か月前から四肢に掻痒を伴う紅斑,水疱が出現し,2009年10月下旬に当科を受診した.初診時現症は,四肢に掻痒を伴う浮腫性紅斑と緊満性水疱を認め,生検病理組織像では好中球と好酸球の浸潤を伴う表皮下水疱を認めた.また,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgAの線状沈着を認め,間接法ではIgAが真皮側に陽性であった.以上よりsublamina densa型の線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis:LABD)と診断した.テトラサイクリン・ニコチン酸アミド併用内服療法が奏効したが,減量に伴って再燃した.LABDは自己免疫性水疱症の1つであるが抗原は単一ではなく,抗原不明の症例も多い.ジアフェニルスルホンやステロイド全身投与により治療されることが多く,自験例のようにテトラサイクリン・ニコチン酸アミド併用内服療法のみによる治療が奏効した症例の報告は少ない.
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