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増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016
3.新しい検査法と診断法
痂皮を用いたウイルス感染症の診断
Detection of herpesvirus-encoded gene products in herpetiform vesicles and crusts
三宅 智子
1
,
山本 剛伸
1,2
,
平井 陽至
1
,
岩月 啓氏
1
Tomoko MIYAKE
1
,
Takenobu YAMAMOTO
1,2
,
Yoji HIRAI
1
,
Keiji IWATSUKI
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学
2川崎医科大学附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences, Okayama, Japan
2Department of Dermatology, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
単純疱疹
,
帯状疱疹
,
種痘様水疱症
,
RT-PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)法
,
鋭敏度と特異度
Keyword:
単純疱疹
,
帯状疱疹
,
種痘様水疱症
,
RT-PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)法
,
鋭敏度と特異度
pp.75-78
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204741
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summary
ヘルペス様水疱を認める疾患には単純疱疹,帯状疱疹,日常診療では稀であるが種痘様水疱症が挙げられる.これらの疾患を診断するためには,TzanckテストやEBER(Epstein-Barr virus encoded RNA)in situ法が一般的に用いられる.われわれは痂皮や水疱蓋よりRT-PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)法にてEBER-1を検出する方法を2007年に報告した.本法は,非侵襲的に検体を採取でき,痂皮の場合は数か月保存することができるため,全国各地からの検体を検査することが可能である.さらに抽出したRNAをcDNAとして使用することで遊離しているウイルスDNAを除外できる.本法を用いて単純ヘルペスウイルス,帯状疱疹ウイルス,Epstein-Barrウイルスを検出した結果,いずれのウイルスでも本法は高い鋭敏度と特異度を示した.本法を用いて,ヘルペスウイルス感染症を診断することは有用な検査であると考えた.
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