Japanese
English
症例報告
帯状疱疹,単純疱疹において血管炎との鑑別を要する特異な臨床像を呈した1例
A case of herpes zoster and herpes simplex showing a peculiar clinical picture that needs to be differentiated from vasculitis
竹原 友貴
1
,
庄田 裕紀子
2
Yuki TAKEHARA
1
,
Yukiko SHODA
2
1独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院皮膚科
2一般財団法人住友病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Hospital, Japan Community Healthcare Organization(JCHO), Osaka, Japan
2Division of Dermatology, Sumitomo Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
単純疱疹
,
関節リウマチ
,
血管炎
Keyword:
帯状疱疹
,
単純疱疹
,
関節リウマチ
,
血管炎
pp.1011-1016
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206519
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要約 71歳,女性.11年前より関節リウマチ(RA)で,プレドニゾロン(PSL),メトトレキサート(MTX)を内服していた.汎発疹を伴う左腰背部の帯状疱疹を発症後,左下肢に帯状疱疹が再発し,1か月以上小豆大の潰瘍が持続した.皮膚生検でリウマトイド血管炎と診断したが,Tzanck test陽性,潰瘍辺縁の変性表皮細胞からchronic varicella zoster virus(CVZV)と診断した.さらに3か月後,左下腿前面に米粒大の紫斑が多発,2か月以上持続したため血管炎を疑った.入院し,皮膚生検を2回行ったことにより経過中の新旧の病理像をとらえることができ,herpes simplex virus-2型(HSV-2)による単純疱疹と診断した.下腿は血管炎の好発部位であるが,単純疱疹の好発部位ではないため,紫斑から単純疱疹を診断することは困難である.帯状疱疹や単純疱疹では血管炎を伴い,潰瘍や紫斑を呈する可能性もあり,鑑別疾患に挙げるべきである.
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