Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016
3.新しい検査法と診断法
Kaposi水痘様発疹症の問題点を考える—重症度の把握と治療について
Problem about Kaposi's varicelliform eruption:Severity and treatment
渡辺 大輔
1
Daisuke WATANABE
1
1愛知医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Aichi Medical University, Nagakute, Japan
キーワード:
Kaposi水痘様発疹症
,
単純ヘルペスウイルス
,
HSV
,
抗ヘルペスウイルス薬
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
Kaposi水痘様発疹症
,
単純ヘルペスウイルス
,
HSV
,
抗ヘルペスウイルス薬
,
アトピー性皮膚炎
pp.79-83
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204742
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
summary
Kaposi水痘様発疹症(Kaposi's varicelliform eruption:KVE)はアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)をはじめとした基礎皮膚病変を持つ患者にみられる,急性,播種性の単純ヘルペスウイルス感染症である.KVEの重症度は,①皮疹の部位および面積,②全身症状および合併症の有無,③二次感染の有無で規定されると考えられる.KVEの治療薬の基本は抗ヘルペスウイルス薬の全身投与となるが,重症度や症状に応じて使い分けが必要であり,皮疹範囲が広い場合や,全身症状,ウイルス血症が疑われる重症例では入院の上で,アシクロビルの点滴を行う.細菌の二次感染は基本的には抗菌薬の全身投与にて治療し,場合によっては外用抗菌薬を用いて治療する.基礎疾患となるADの治療は,KVE病変部を避けて行うほうが良い.また,普段からADのコントロールをしておくことがKVE発症のリスクを低減させる可能性があると考えられる.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.