Japanese
English
今月の症例
丹毒様の臨床像を呈し好酸球性膿疱性毛包炎の組織像を示したクロムによる接触皮膚炎
A case of chromate induced contact dermatitis showing erysipelas-like clinical manifestation and histological findings similar to eosinophilic pustular folliculitis
小澤 麻紀
1,2
,
水芦 政人
1
,
沼田 透効
1
,
相場 節也
1
Maki OZAWA
1,2
,
Masato MIZUASHI
1
,
Yukikazu NUMATA
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野
2東照宮駅前皮ふ科クリニック
1Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
2Toshogu Ekimae Dermatology Clinic, Sendai, Japan
キーワード:
革製品
,
パッチテスト
,
接触皮膚炎
,
好酸球性毛包炎
,
丹毒
Keyword:
革製品
,
パッチテスト
,
接触皮膚炎
,
好酸球性毛包炎
,
丹毒
pp.184-187
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204343
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要約 65歳,男性.初診の3か月前から顔面に発赤と腫脹が繰り返し出現するようになった.習慣性丹毒の臨床診断で抗生剤投与を行ったが悪化したため生検を施行した.病理組織学的には好酸球性膿疱性毛包炎の像であった.インドメタシンを内服したが,症状は改善せず,その後に施行したパッチテストでウルシオールとクロムに陽性を示した.患者は自宅の革製ソファーで寝る習慣があり,その際に顔面皮膚がソファーに直接触れていることに気付いた.ソファーにカバーを掛け,革が皮膚に直接触れないようにしたところ,皮疹は出現しなくなった.以上の経過より革製品に含まれるクロムによる接触皮膚炎と診断した.顔面の接触皮膚炎では,原因物質として塗布するものに目が向きがちであるが,自験例のような接触様式もあることを踏まえておきたい.
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