Japanese
English
症例報告
色素失調症の1例
A case of incontinentia pigmenti
篠原 綾
1
,
良田 陽子
1
,
秋山 創
1
,
香田 翼
2
,
上田 雅章
2
,
吉田 真策
2
Aya SHINOHARA
1
,
Yoko YOSHIDA
1
,
Hajime AKIYAMA
1
,
Tsubasa KODA
2
,
Masaaki UEDA
2
,
Shinsaku YOSHIDA
2
1公立豊岡病院皮膚科
2公立豊岡病院小児科
1Division of Dermatology, Toyooka Hospital, Toyooka, Hyogo Japan
2Division of Pediatrics, Toyooka Hospital, Toyooka, Japan
キーワード:
色素失調症
,
NEMO遺伝子
Keyword:
色素失調症
,
NEMO遺伝子
pp.667-670
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103378
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要約 日齢12日,女児.出生数時間後より四肢,体幹の紅斑,水疱が出現した.当初皮膚感染症が疑われ,抗生剤を投与されたが,症状は改善しなかった.当科初診時,四肢,体幹のBlaschko線に沿って紅斑を認め,紅斑上には無数の水疱および膿疱が列序性に集簇して存在していた.特徴的な皮膚症状を呈していたことから色素失調症を疑い,病理組織学的検査で,表皮内に多数の好酸球を伴う水疱を認めたため,色素失調症と診断した.全身検索を行ったが,明らかな合併症は認められなかった.その後,外用処置のみで水疱は自然に消退し,現在はわずかに色素沈着を認めるのみである.色素失調症が疑われる患者への皮膚科医の早期介入は,不要な治療を防ぎ,迅速な合併症の検索および治療に繋がることから有益であると考えた.
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