Japanese
English
症例報告
特異な臨床経過をたどった木村病
Kimura's Disease with Peculiar Clinical Course
西本 一栄
1
,
西本 正賢
1
,
山本 信二
1
,
中嶋 邦之
1
Kazue NISHIMOTO
1
,
Masayoshi NISHIMOTO
1
,
Shinji YAMAMOTO
1
,
Kuniyuki NAKASHIMA
1
1香川医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kagawa Medical School
キーワード:
木村病
,
苔癬化局面
,
アミロイド沈着
,
EG2
Keyword:
木村病
,
苔癬化局面
,
アミロイド沈着
,
EG2
pp.1185-1188
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900229
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62歳男性の右上下眼瞼・左顎下・左肘窩に皮下腫瘤が,左上腕内側・腰部に慢性湿疹様苔癬化局面が生じ,好酸球増多と血清IgE高値を示した.組織学的には,眼瞼の皮下腫瘤と腰部の苔癬化局面では,皮下に好酸球浸潤を伴うリンパ濾胞様構造の増殖があり,同部にIgEの顆粒状沈着を認めた.浸潤好酸球のうち50%余りは,eosinophil cationic proteinの分泌型とのみ反応するモノクローナル抗体EG2に陽性を示した.また腰部の真皮乳頭層にはアミロイドの沈着を認めた.自験例は皮下腫瘤が好発部以外の上下眼瞼と下顎にみられ,腰部には20年前より苔癬化局面を呈し,木村病としては稀な皮疹型と考えられた.初診時より3年後の現在,腰部の苔癬化局面の部に皮下腫瘤が多発した.
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