Japanese
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皮膚科図譜・163
有棘細胞癌を発生した慢性円板状エリテマトーデスの1例
A CASE OF CHRONIC DISCOID LUPUS ERYTHEMATOSUS WITH THE OCCURRENCE OF SQUAMOUS CELL CARCINOMA
佐藤 良夫
1
,
浜松 輝美
1
Yoshio SATO
1
,
Terumi HAMAMATSU
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.1088
発行日 1963年12月1日
Published Date 1963/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203645
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患者 61歳,男。(初診昭和36年12月1日) 現病歴 8年前の春,顔面,耳翼,頸部,両側手背,足背に局面状紅斑が多発。次第に色素脱失と鱗屑を伴い,約1年前から右耳後部の病変部が潰瘍化した。 現症 鼻背,頬部,耳翼に定型的エリテマトーデスの皮疹があり(第1図),手背,足関節部に疣贅状の角質増殖を示す局面状皮疹を認める。右耳後部には辺縁が硬く隆起し,中央に膿苔を有する潰瘍を認める(第2図)。
組織学的所見 頬部では表皮に角質増殖あり,有棘層以下は非薄扁平化し,真皮上層に浮腫,細胞浸潤を認め,エリテマトーデスの所見を呈する。右耳後潰瘍部では明らかに有棘細胞癌の像を呈し(第3図),癌細胞は異型が強いが分化せる棘を有する細胞もあり,癌真珠も認められる。またdyskerat-otic cellsも散見される。核分裂像は極めて少数である(第4図)。
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