Japanese
English
症例報告
爪下有棘細胞癌の1例
A Case of Subungual Squamous Cell Carcinoma
田村 敦志
1
,
石川 英一
1
Atsushi TAMURA
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
爪下
,
皮膚癌
Keyword:
爪下
,
皮膚癌
pp.955-958
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204195
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77歳,男性.左第Ⅰ趾爪床部にキノコ状に隆起した肉芽腫様腫瘤を認め,生検にて有棘細胞癌と診断した.本症例の組織学的特徴として,1)腫瘍底部,腫瘍細胞巣間の炎症性細胞浸潤がきわめて少なく,2)真皮,皮下への腫瘍細胞の浸潤は平等で,周囲結合織との境界は比較的明瞭で,また,3)個々の腫瘍細胞巣内に無構造の均質化した角化細胞集団を多数認め,顆粒層を経ず,また扁平化することなく角化し,類円形のhorn pearlを形成しないことなどが認められた.治療は左第I趾中足骨切断術と左鼠径リンパ節廓清術を行った.組織学的にリンパ節転移は認めなかった.
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