Japanese
English
原著
尋常性乾癬と扁平苔癬の併発—発症機序に関する免疫組織学的考察
Coexistence of Psoriasis Vulgaris and Lichen Planus--Immunopathologic Approach to the Pathogenesis
早川 順
1
,
塩原 哲夫
1
,
長島 正治
1
Jun HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Masaji Nagashima
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
尋常性乾癬
,
扁平苔癬
,
苔癬型組織反応
,
γ-IFN
,
HLA
Keyword:
尋常性乾癬
,
扁平苔癬
,
苔癬型組織反応
,
γ-IFN
,
HLA
pp.897-901
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204184
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21歳,男性,尋常性乾癬に扁平苔癬を併発した稀な1例を報告した.10年来,ほぼ全身に尋常性乾癬の皮疹があり,近医にて加療を受けていた.昭和61年12月頃より,四肢を中心に扁平苔癬の皮疹を生じた.臨床および病理組織検査より両疾患の合併例と診断した.HLAは,A1,A2,B37,B39,Cw6,Cw7,DR2,DQw1であり,尋常性乾癬の罹患素因を認めた.扁平苔癬の皮疹は,約4カ月後自然消退したが,扁平苔癬の併発期間中軽快していた乾癬の皮疹は,むしろ増悪する傾向を示した.両疾患は共によく知られた疾患であるが,合併例の報告は極めて少なく,自験例も含め15例にすぎず,そのほとんどの症例は,尋常性乾癬の発症後,扁平苔癬を続発していた.合併例の報告が極めて少ないことは,乾癬患者では,扁平苔癬を発症しにくい可能性を有することを示しており,その機序について若干の検討を加えた.
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